
学名 : Utricularia minutissima Vahl
和名 : ヒメミミカキグサ
別名 : Utricularia nipponica
日本では三重県金生水湿地で始めて発見された 花・蕾1〜2mm&花茎5〜10mmの超小型のミミカキグサです。
8〜10月にかけて紅紫色の花を咲かせ、花後に球形の果実を付けます。
日本固有種として U. nipponica の学名が与えられましたが、現在は小宮定志先生により再分類され、東南アジアに自生する U.minutissima に組み入れられました。
でも東南アジアのものは日本のヒメミミカキグサよりだいぶ大きく、花の形状も変わっていてとても同じ種とは思えないほどです。
ヒメミミカキグサはシラタマホシクサ・シデコブシなどと同様に東海地方に特有の分布をする周伊勢湾要素植物又は東海丘陵要素植物と呼ばれる植物群に属しているされています。
国のRDBを読んでも愛知県・三重県・静岡県のみに記録があります。
しかし三重県・静岡県はほぼ絶滅状態で確実な自生地は無いと言いきってしまいましょう。
さて、写真の左のものは当方の栽培品です。
どういう具合か完全開花には至りませんでした。写真右が自生地での完全開花状態です。
”えぇどっから入手したの???”
との声が聞こえてきそうですが、それこそ今回の日記の最重要情報。
東海地方と言えば通常、愛知県・三重県・静岡県に岐阜県が入ります。
周伊勢湾要素植物群に属する他の植物はこの4県すべてで見つかっていましたが、ことヒメミミカキグサについては岐阜県にはないとされていました。
しかし、2007年9月、筆者の食虫植物仲間が岐阜県内の湿地にてヒメミミカキグサらしき植物を発見しました。
発見時は開花の盛りが過ぎていたので翌2008年8月、東海食虫植物愛好会が岐阜県の有識者とともにヒメミミカキグサであることを確認し、標本採取を行いました。
ヒメミミカキグサの分布が岐阜県に広がったのです。
発見者は非常にシャイな方なので名前は書きませんが、食虫植物史における歴史的偉業と行って良いでしょう。(書いても良い○○君?)
しかもこの自生地、今まで知られている自生地のヒメミミカキグサを全てひっくるめてもその数倍の量が自生していると思えるのです。
少なくても日本最大の自生地と言って過言でないでしょう。
東海食虫植物愛好会の一員として、この確認に参加した際、タイプ用標本(学術的押し花)の他に生体標本として採取したものの2代目が当方の栽培品です。
ヒメミミカキグサは絶滅危惧種です。
本来採取などは慎まなければならないでしょう。
我々も今後はこの自生地への不特定多数の方の案内や採取は行わないつもりです。
しかし食虫植物ではムジナモのように野生のものは絶滅したが愛好家の栽培品が生き残り現在にいたる例があります。
ヒメミミカキグサの自生地の保護活動をしつつ、万が一のためこの栽培品を維持・頒布出きるようにしていきたいと思います。